コーンケーン編
湖畔の風と黄金の寺院
二十余年前、タイ東北部の町を歩いた記憶
タイ東北部の中心都市コーンケーン。二十余年前の写真には、青空の下に広がる湖、鮮やかな寺院、静かな町並みが残っていました。観光名所を急いで巡る旅ではなく、湖畔を歩き、寺の境内で立ち止まり、地方都市の日常に触れた一日でした。
ブン・ケーン・ナコーンの水辺
町の中に大きく広がる湖。岸辺には色とりどりの小舟が並び、バイクが木陰に止められていました。風が水面に細かな波をつくり、対岸の建物は遠く小さく見えます。強い日差しの中でも、水辺にはゆったりした時間が流れていました。


空へ伸びる九層の仏塔
湖畔でひときわ目を引いたのが、ワット・ノーンウェーンの高い仏塔でした。幾層もの屋根が空へ向かって重なり、白、赤、金の装飾が青空に鮮やかに映えています。見上げるほどに細部が現れ、建物全体が巨大な工芸品のようでした。

花とナーガに迎えられて
境内には赤や桃色の花が咲き、金色の仏像や色鮮やかなナーガが並んでいました。強い太陽の光を受けた装飾は眩しいほどです。静かな信仰の場所でありながら、色彩には生命力があふれていました。


象と人物を表した像、菩提樹を囲む金色の仏像など、境内を歩くたびに新しい景色が現れます。建物だけでなく、庭や像の配置にも人々の祈りが感じられました。


地方都市で過ごす静かな時間
高い場所から町を眺めると、ヤシの木の向こうに建物が点在し、大都市とは違う穏やかな広がりがありました。目立つ出来事がなくても、知らない町の朝や夕方を眺めること自体が旅の楽しみでした。

写真を見返して心に残るのは、湖から吹く風、寺院の金色、乾いた道の明るさです。コーンケーンは派手に自分を主張する町ではありませんでした。しかし、ゆっくり歩くほどにタイ東北部の暮らしと信仰が身近に感じられる、忘れがたい旅先でした。
※本稿は二十余年前に撮影した写真をもとに構成した回想記です。

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